2007.1/上旬 4冊



実は今、会社に行ってません。
1月一杯、ヒマ人してます。
フリーです。まるっきり、フリーダムです。


何もしないのも実にムダなので(ムダは嫌いじゃないけど)、ちょっと集中して本くらい読んでみようかと。


子育ての合間なので、そんなに冊数は読めないけど。
その分、事前調査をしっかり行って、「間違いのない一冊」に絞って読んでいくつもりです。


スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

★★★★☆→テンション上がります。挑戦しようとしている人へ
ご存知アップルのCEOスティーブ・ジョブズの軌跡を辿った伝記的一冊。とは言え、ジョブズポートレートを多く使った本の作りは、ほとんど彼の写真集のよう。いわゆるビジュアルブックの体裁なので、濃く詳細な内容を期待している人は別のをどうぞ。
ぼく的には、そのクリエイティブな体裁がイマジネーションを喚起してくれて、非常に面白く読めた。ジョブズiMac以降成し遂げてきた多くの奇跡が、アップルという企業のマジックではなく、ほぼジョブズという稀代のスーパーマンの才能のみによるものであったことは、驚きでもあり、ある意味痛快でもある。
万能な個人は「単なる"頭数"が右往左往する無意味なチームワーク」を、ほとんどの場合凌駕する。さらに、権限や判断が一点集中することのリスクなど霞んでしまうくらいの"ロマン"と"夢"は、やはり有能な個人(あるいはごく少人数の精鋭チーム)にこそ宿る。 そんな自論を持つぼくみたいな人種にとっては、バイブルのような一冊です。ほんとに。
個人的には、新生アップルがBe OSを採用していたらどうなっていたのか、とても気になる。今更詮無いことだけど。


夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

★★★★☆→心温まる一冊。「間違いない」作品です
実はこの作品、アマゾンに登録されている全ての本の中で最も「おすすめ度」が高い作品なのだ。なんと241件ものレビューが投稿され、そのうち212件が満点の5つ星評価を付けているとのこと。これは読むしかないでしょう、とamazonにて購入。
本作、さほど分厚くもない漫画作品であるが、さほど美麗な絵でもなく、ぱっと見の印象としては、極めて地味な一冊。おそらく町の本屋さんで見かけても、絶対に買わないと思う。と言うか、地味すぎて気付かないだろう。
翻って、いわゆる「ヒロシマ」を題材にしたストーリーの方は、なかなか骨太。だが決して悲惨ではなく、残された人々の生活・心情を通して描かれた被爆後の広島の様子は、一見牧歌的ですらある。しかしやはり、厳しい現実の中で、限られた生活を余儀なくされ、何より消せぬ思い出を背負った登場人物が紡ぐ物語は、全編に渡って深い悲しみに彩られている。同時にこの作品を覆うのは、紛れもない「希望」、それも明日への活力を滾らせる類のものでなく、ふんわりと優しく一歩先を照らす曙光のような暖かさだ。現代人の共感を得るのは、この緩やかな希望がもたらす「癒し」なのかもしれない。


スウェーデン式 アイデア・ブック

スウェーデン式 アイデア・ブック

★★★★☆→考え方の「センス」を問うアイデア喚起本。頭のオアシス的一冊
ぼくは左脳と右脳の両方が効いたアウトプットが好きだ。自分自身もそうあろうと心がけているし、ロジックとイマジネーションのバランスの取れた他人も尊敬する。
他者は知らないが自分に関してだけ言うと、考え方のプロセスとしては、まず左脳で徹底したロジカル・シンキングを行い、同時に右脳ですべての抽象化を行う。ロジックをカレーの鍋に放り込むがごとく、大胆にだ。抽象化された幾つかの物事のカタマリを、組み合わせたりくっ付けたりしながら、余計なものをそぎ落としていき、最後に本質だけを残す。本質を確実に認識したところで、再度ゼロベースでロジックを再構成する。出来上がったロジックに対して、最後に右脳によるチェックを行い、最終的なアウトプットが決定する。
所詮自分の脳内での出来事なので、読んでる人には意味不明かもしれないが、つまり、そういう思考プロセスの一助となりそうなのが、本作だ。IKEAH&Mを生んだ国の発想術は、ビジネス面でも多いに役立ってくれることだろう。どちらかと言うと、この本は一度読んだだけでは大した意味はなく、常に手の届くところに置いておいて、考えが行き詰った時にパラパラ捲る、そんな用途がしっくりくる一冊。


フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)

★★★★☆→このシリーズはほんとに良作!ファンは必読
スカイ・クロラ (中公文庫)」シリーズの4作目。まあ、同一シリーズ内で特に芸風が変わっているわけでもないので、語るべきことはそんなにない。相変わらず叙情的で、相変わらず飛行気乗りの物語で、相変わらずピュアな感覚と言い知れぬ透明感に満たされていて、相変わらずみんなキルドレ。つっても、読んだことない人は分からないか。
ある程度骨太な作品が読みたくて、今更古典読むのも疲れるけど、でもベストセラーになるような軽いのはイヤで、かつドラマ化されるようなご都合主義が嫌いで、静かに感動したい人。そんな人はとりあえず、

を上から順に読みましょう。
最高の作品です。



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++ from a.s
++ get slow life,
++ and smile.

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