イタリア人の義弟



実はぼくにはイタリア人の弟がいる。
いや、冗談じゃなく、ほんとに。


勿論昔から兄弟として一緒に育ってきたわけではなく、嫁さんの妹が結婚した相手がイタリア人だったのだ。


嫁さんの妹は彫金の勉強をしており、現在はイタリアの工房で働きながら、勉強を続けている。ダンナの方は大工さんで、いかにも右脳人間同士のカップルといった感じで、なかなか楽しい夫婦である。


ナポリ出身の彼は、「PePe」という愛称で呼ばれており、とても明るくて性格の良い若者だ。
ぼくはまだ数回しか会ったことはないが、お互い共通言語が一切ないにも関わらず、結構仲良くなった。


その二人が今年の初冬、日本に来るらしい。
その時期に来る理由は「嫁さんの臨月のお腹を触りたいから。12月に生まれる予定の我が子を愛でたいから」だそうだ。なんじゃそら。


しかも、数ヶ月の間、ウチに泊まることになった。
2LDKの狭い賃貸マンションで過ごす冬は、きっと暖かいを超えて暑苦しくなることだろう。


実は今回の商売、彼らに仕入れ部分を一部お願いしようと思っている。
小売において仕入れ作業は命とも言える業務で、特に輸入の場合はそれが顕著だ。
そこの部分を、ある程度でも軽減できるルートができたというのは僥倖と言える。


軽く話をしてみると、協力することに対してはものすごく乗り気になってくれた。
ありがたい。
やはり、持つべきものはファミリーである。