楽天はGoogleの夢を見ている



こんな記事を発見。

三木谷社長が初めて明かす、Web 2.0時代の「楽天経済圏」


ざっくりサマると、

  1. 楽天Web2.0企業になろうと決意している
  2. 他の2.0企業と異なり、楽天は強力な換金装置(楽天市場)を持っている
  3. 日本で最も幅広い商品群を持ち、API公開のメリットは計り知れない
  4. でも他社へのリンク禁止措置は継続しますよ

ってな感じ。


何となく、拭いきれない違和感を感じる。


1については、ああそうなんだ、という印象だけ。
2については、ふむふむ、確かにね。
3については、まあ理解できなくはない。それだけ使い勝手の良いものを作れるかどうかにもよるが。


問題は、4つめのポイントである。


個人的な見解だが、Web2.0とは技術とアイデアとユーザー意識の進歩により「Webがあるべき姿に回帰している現象」だと思っている。


もう少し丁寧に説明すると、本来自由なツールであるべきWebが、様々な企業の錯誤的経済活動の結果としての「規制」と「制限」により退化してきたのが、いわゆるWeb1.0の歴史。

そこに「ユーザー参加」「オープンソース(オープンサービス)」「横の繋がり」「Give & Take」等々の思想によりWeb本来の姿である「自由」をもたらしたのがWeb2.0の潮流であると、ぼくは考えているわけだ。


その考え方から言うと、楽天の2.0的行動はどうも中途半端に見えて仕方がない。
「広く普及しているブログやSNSによる、アフィリエイトWebサービスでの収益」は狙うくせに、「自社サービスの閉鎖的な規制」を撤廃する気はないってのは、思想的に間違っているのではないだろうか。


別に「Web2.0の思想」なんて無意味な定義をする必要はないと思うが、こういった「美味しいトコ取り」のスタンスはどうも好きになれない。
偉そうに「Take」の主張はするくせに、お前ら「Give」はしてるのか、と。


世の中に受け入れられている思想を自己の都合で捻じ曲げる行為が衰退の結果しか産まないことは、歴史が証明している。


GoogleAmazonが作り上げてきたWeb2.0の潮流は、テクノロジーを背景にした一つのカルチャーだ。
楽天に欠けているのは、テクノロジーでも商売センスでもなく、カルチャー・リテラシーである。それこそが、ぼくが毎度楽天に対して感じる違和感の源だ。
楽天が自らをWeb2.0企業であると標榜すればするほど、その言葉は空しく宙に舞い、消える。


カルチャー・リテラシーを欠いたままでは、夢は夢で終わるだろう。



※追記:まずは足元を固めて下さい。

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