Googleドキュメントを使ってみた



ぼくのアセットアロケーションは現在、預貯金比率を限界まで下げて、後は株式と投信に分散配分するといったなかなかアグレッシブなものとなっている。
(独身時代散財し倒していたことと、現在専業主婦の嫁さんと子供を抱える身故に、所詮総額は大したものではない。恥ずかしながら・・・)


で、資産構築を投資の勉強ついでやっているものだから、広く浅く、様々な銘柄を少しづつ買っており、全体を管理するのが結構大変な状況。


これまではローカルでExcel管理していたのだが、ローカルファイルだと当然会社やら家やらで自由にアップデートしづらく、不自由感を感じていたので、この度"思い切って"オンライン管理に切り替えることにした。


候補は幾つかあるが、正直どれも一長一短。

  • オンラインデータベース


口座一括管理サービス=いわゆる「ポートフォリオサービス」や「アグリゲーションサービス」の類は、オンライン取引に対応している株式・投信・外貨などに対しての親和性は高いが、独立系のファンドなどはフォローしていないところがほとんど。オンラインバンクなんかも、100%のカバレッジというわけにはいかない。なので、この辺りはボツ。


では、Web上でExcelやDBファイルを自由に作成・保存できるタイプのサービスが良いかと言うと、これはこれでMS Officeパッケージを使い慣れた身としては、機能的に不満なものばかり。一応どのサービスもインポート機能は付いているが、ローカルでゴリゴリ作りこんだ複雑なファイルはエラーが出る or 極めて低い再現率でしかアップロードできない。


なかなか悩ましいところ。
まあローカルで作りこんだファイルを何とか取り込もうとするからダメなわけで、ここはやはり、面倒臭い精神を何とか封じ込んでゼロから入力作業をすることにした。


幾つかのサービスに登録し、機能を一通りチェックした結果、Googleドキュメントのスプレッドシートを利用することに決定。


ローカルのExcelファイルからチマチマとコピペしたり、新たに関数を入れなおしたりしながら小一時間。
とりあえず、月次の価額騰落管理表とグラフの作成まで終了。
まだ諸々の分析機能を付けたいところだが、ひとまずここまでで良いだろう。


で、利用してみた感想。


すでにあるファイルをインポートする作業は、複雑に関数を組み合わせたり、キレイに整形したファイルであれば、オススメしない。関数や見てくれの部分が上手く再現されないことが多いからだ。逆に単純なcsvファイルなどのデータベース系ファイルであれば問題ないと思う。


しかし、ゼロから作れば、これがなかなか悪くない。
レスポンスは良好だし、自動保存はしてくれるし、でも過去の保存履歴にさかのぼることもできるし、他人と一緒に共同作業なんかも実に簡単にできる。機能は限定的だが、だからこそ操作はシンプルだし、ごちゃごちゃ不要な機能ばかり付いて肥大化したMS Officeに比べるとよりプレーンで洗練された印象がある。機能が少ないと言っても、表計算ソフトに求められる最低限の処理は可能なので「できること」の範疇で素直に作業するのは苦にならないどころか、快適ですらある。


要望としては、

  • 行列の選択、セル幅一括調整の柔軟性が無さすぎ。データ処理ツールとしては問題ないけど、プリントアウトも考えて作る場合は、見てくれの調整に難アリ。
  • 数字に対するカンマ付加、%表記などができない(?)。
  • 縦方向へのセルマージができない。
  • セルの書式バリエーション少なすぎ。
  • グラフ機能貧弱すぎ。一次元的な作り方しかできないので、用途が限られる。
  • セル内縮小付加等、テキストの表示が貧弱。
  • オートシェイプ的な機能も欲しいなあ・・・


全体的には「DB的用途+非常にプリミティブな表計算用途」のみ考慮されている印象で、いかにもGoogle的と言えるかも。何だかとても昔のバージョンのExcelを使っている気になってしまった。


一方で、Googleドキュメントの開発が遅々として進んでいないかと言えばそうではなく、下記に一部抜粋するように、非常に活発に新機能が追加されている。

  • 共同編集者が見ている箇所がわかるようになりました
    • 複数のユーザーが同時にスプレッドシートを編集している場合、セル位置を示すマークによって、他のユーザーが現在カーソルを置いている位置を確認できるようになりました。
  • スプレッドシートの変更履歴を見て、過去のバージョンに戻す
    • うっかり消してしまったスプレッドシートのデータを元に戻したり、変更箇所を確認できれば便利だと思いませんか。新しく追加された [変更履歴] タブでは、以前の改訂をたどって誰がどんな変更を加えたのか確認したり、ある時点のバージョンに戻すことができます。
  • スプレッドシートをウェブページとして公開
    • スプレッドシートのある時点のバージョンを他人に公開したり、何か変更が入るたびに自動的に最新の状態に更新されるように設定できます。既存のウェブページにスプレッドシートを埋め込むことや、.csv、.xls、.pdf など他の形式に変換して公開することもできます。
  • 開発者向け: スプレッドシートへの API アクセス
    • ご自分のアプリケーションから、Google データ API (GData) のフィードを使ったコンテンツへの読み書きが可能になりました。
  • 文書とスプレッドシートを一元管理
    • オンラインの文書とスプレッドシートすべてを、1 つの場所で表示、確認、共有することができます。ファイル数が増えてくれば、タグやスター マークを付けて管理したり、検索で見つけることもできます。
  • Gmail の連絡先リスト
    • 共同編集に誰か招待するときには、Gmail やカレンダーなどの Google サービスに保存されている連絡先のメール アドレスに簡単にアクセスできます。


などなど・・・

これらを見ると、Googleとしては、特にオートシェイプなんかに見られるような「うわべの機能(あるいはアプリケーションの役割として必須でない機能)」は完全に無視して、SaaSであることの可能性を追求しているように思える。つまり、極めてGoogle的。


その潔い姿勢にはとーっても共感を覚えるのだが、できればもうちょっとMS的に「余計な機能」も追加してほしいなあ。Excelって、今となっては「単なる表計算ソフト」に留まらない用途で使われちゃってるわけだし。お願いします、Google様。


【結論】
Googleドキュメント(とりあえずスプレッドシートのみ)、意外に使えます。用途によっては、完全に切り替えてもいいかも・・・なーんて思わされるほど。とりあえずぼく的には、運用が非常に面倒臭いファイルをオンライン化できて、スッキリ爽やか。


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