SEOのおさらい



SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」となる。


以下、やはり興味のある人だけ読んで下さい。



先日のエントリで書いたSEMとの違いをまとめると、

  • wwwに存在するほぼすべてのWebサイトは、アクセス(顧客)を集めたいと考えている。
  • アクセスをアップするためには、方法は二つ。
  • つまり「宣伝」と「検索されること」。
    • 「宣伝」についても、それこそテレビでURLを連呼(あーどれすもわんわんわん、てんこてんじぇいぴー、みたいな)したり、雑誌や看板にURLを掲載するようなアナログなものから、Web上のバナーやメールマガジンを使ったデジタルなものまで様々。
  • アナログからデジタルまで、広くWebサイトの存在を認知させるための行動は、一般に「プロモーション」と呼ばれるが、昨今Webにおいては、AIDMAのような顧客行動分析等により、検索エンジンを使ったプロモーションが有効であるとされてきた。
  • この「検索エンジンを使ったプロモーション」が「SEM(Search Engine Marketing)」と呼ばれるものである。
  • さて、実際にSEMを行う際には、2つのアプローチがある。
  • 今さらだけど、リスティング広告というのは、Yahoo!Googleで検索を行った時に、検索結果の上部や下部、右側に背景色の違うテキストが表示される、アレである。
    • 「スポンサー」とか「スポンサーリンク」などの表示はあるが、パッと見検索結果と同じような体裁で表示されるため、広告に対してユーザーが抱く抵抗感は低く、クリックされる率(つまり効果)はその他の宣伝手法に比べて圧倒的に高い。さらにクリックごとにコスト(CPC)がかかる仕組みのため、広告主的にもコストパフォーマンスが高い手法であり云々・・・というのは先日書いた通り。そもそも「特定ワードの検索」という顧客行動に連動して表示されるため、広告の内容と顧客の目的にずれがなく、クリック後のアクション率(CVR)がとても高いことも特徴。
  • で、SEMのもう一つの要素「SEO」についてだが、これは広告の類とはまったく関係のない要素だ。以降、リスティング広告のことは頭から消し去って読むべし。


ってな感じ。前置き終わり。


というか、一体どの程度のリテラシーを持った読み手に対して書いているのか、キーボード打ってる本人も良く考えていないため、基礎的要素と専門的要素が入り混じった極めて質の悪いテキストになっていると、我ながら思う。
まあでも、自分のための備忘録なので、そこは最後までファジーにいきます。


さてと。
本題。


SEOとは前述した通り「検索エンジン最適化」。


検索エンジンを利用したユーザーのほとんどが、検索結果の上位から順にクリックしていくであろうことは想像に容易い。japan.internet.comの調査では、70%のユーザーが検索結果は3ページ目までしか見ない、と答えていることからも分かる。


つまり、Webサイトオーナーからすると、検索結果の表示順位を上げることは、有料で広告を出稿することと同じ(あるいはそれ以上に)重要な要素になっているわけだ。


では検索エンジン側は、どのようにして表示順位を決定しているのか。


それは「検索結果がユーザーの検索行動に対して適切であるかどうか」という基準だ。
この基準について、検索エンジン側は正確な方法を公開していない。が、「ガイドライン」という形でなら、公開されている。


分かりやすく説明すると、

  • 適切かつ豊富なコンテンツを
  • 正しい技術・方法で作って
  • 他者からきちんと見られ、評価されたサイト

は当たり前に上位表示されますよ、という内容になる。


極めて性善説的なこのガイドラインは、力なき個人サイトオーナーをコントロールすることはできても、売上向上に血眼になった企業には残念ながら通用しない。


そこでSEOの登場である。

SEO

という目的のためにWebサイトを最適化しましょう、という意味。


SEOを追及することは、専門でない一般の事業会社にはリソース的に困難な場合が多いことから、外部から側面支援を行う「SEOコンサルティング会社」が関わることが多い。
これはすなわち「SEOのビジネス化」であり、ビジネスが絡み始めると競争原理が働いて色々よろしいこともよろしくないことも発生するようになるのは人の性(さが)だ。


さて、SEOの項目は主に

  1. サイト内部要因
  2. サイト外部要因
  3. 時間的要因

の3つに分けられ、それぞれ噛み砕くと、

  1. 適切なマークアップと適切なディレクトリ構造を持っているか。
  2. 適切に外部からリンクされているか。
  3. 時間の洗礼は受けているか(歴史のあるサイトか否か)。

ってことになる。


このうち、1番目の内的要因については、理屈では自助努力で解決できる(知識と技術さえあれば)。
具体的には

といったところか。


しかし、自分達で解決できるからこそ、その結果は究極的には横並びになる。
つまり、各社が適切な対策を施した結果、個別の表示順位の変動には限界が生じてしまうわけだ。(ダントツ一位、とか難しくなるよね)


そこで2:外部要因と3:時間的要因で差別化を図ろうとするSEO業者が現れる。


外部要因というのは、簡単に言うと「外部のサイトからどれだけリンクされているか」ということ。つまり、被リンクが多いとそれだけ多くの人の評価されているサイトと認識されるため、検索エンジンは「良質である」という判断を下すのだ。(それこそポータルサイトなんてあらゆるところからリンクされまくってるもんね)


この「被リンク」を恣意的に増やすための方法として、

などがある。


どちらもネズミ算的に(つまり何千・何万と)被リンクを増やす手法としてメジャーとなっているが、多くの場合、本来検索エンジン側が意図した「適切なリンク」とはそもそも異なるものなので、あまりやりすぎると「SEOスパム(不正行為)」として検索結果そのものから除外されるようなペナルティを受けたりする。(参考:Googleによる警告


時間的要因というのは、「そのサイトがどれくらいの歴史を持っているか」ということ。歴史の長いサイトほど、長期間に渡ってユーザーから支持され続けている良質サイトと認識される。


これについても「長期間運用されていたが、現在は使われていないドメイン」を取得して見せかけの歴史を手に入れるという方法が取られる場合がある。
勿論この手法も、検索エンジンから除外されるというリスクがセットになっている。


以上のように「良質なサイト」だけを選びぬいて厳格に順位付けを行おうとする検索エンジン側の思想と、Webサイト側の思惑は、なかなか重なることはない。
時に巧妙に、時に不正を行ってまでも、Webサイト側は検索エンジンを「利用」しようと試み、エンジン側はただただ愚直に「善人の中の悪人」を排除し続ける。


前述1の「内部的要因」においても、過去には、ページの中に背景色と同じ色のキーワードテキストを並べまくってSEO効果を出そうとして速効検索エンジンからシカトされた輩が多くいたように、SEOの歴史は「不正(工夫?)と制裁のいたちごっこ」の歴史でもある。
SEOは本来目指すべき理想郷を見失い、その言葉の意味は既に本末転倒なものに置き換わっている感すらある。


SEOという言葉を語る時に、

  • 純粋に善意の1サイトになろうと努力する行為
  • エンジンのクセを見抜いて、極端にそこを突く行為

という二つの意味が存在することは、クールに整理して考えるべきだ。実際ほとんどすべてのSEO業者がグレーゾーンで活動しており(大手・上場企業含む)、またグレーなサービスを求める企業が後を絶たないことも。


ちなみにぼく自身は、総合的なSEO行為について、否定も肯定もする気はない。グレーっつっても、あくまで検索エンジンにとってグレーなだけだしね。商売が絡むと、必要に迫られる人も少なくないんだろうし。
まあ、ユーザーとしては、検索結果を汚す「wwwにリンクをばらまくためだけに作られたゴミサイト」が減ってくれることを願って止まないのだけれど。


なかなか、ねえ。
ほら、資本主義って、そういうものじゃん?
(こ、こんな終わり方って・・・)

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++ get slow life,
++ and smile.

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