SEM(リスティング広告)のおさらい



実はつい先日より、また会社を変わった。
経緯については、別エントリで書くとして、とりあえず今、新しい職場での必要に迫られて、SEO/SEMを猛烈にお勉強中。


備忘録代わりにエントリでまとめてみる。
以下、興味ない人は読む価値ゼロだと思います。(長文だし)

  • SEMは「掲載順位」の管理から、「ROI・CPA」の管理へ


Web広告の歴史を思いっきりざっくりまとめると、

  1. バナーなど「表示」を重視→インプレッションに対するコスト
  2. overtureやAdwordsなど「クリック」を重視→CPC
  3. アフィリエイトなど「コンバージョン」を重視→成果に対するコスト

という流れで費用対効果が追及されてきたと言える。(メルマガ・ブログ広告とかクリック保証型バナーとか細かいのは色々あるけど、ひとまずメインストリームのみ)


このうち、現在質・量ともに最も効率的とされているのはovertureやAdwordsなどのリスティング広告であることにも疑いようはない。以下更に深堀。


これらリスティング広告が保証していたのは

  • 入札システムによる競争的広告価格設定の実現
  • 検索結果・コンテンツにマッチした広告内容の露出
  • 高価格で入札した広告ほど、上部に表示(現在価格は1要素でしかないが)
  • クリックされた数だけコストが発生

という効率的な明朗会計の価値であり、その思想は効果の怪しいWeb広告に辟易していた広告主の圧倒的な支持を受けて今に至っている。


リスティング広告の利用者にとって重要だったのは「より上位に自社広告を表示させること」。上位表示されることでクリック数は増大する。


もともとAdwordsは入札価格にクリック率や関連性等を掛け合わせた広告の品質によって掲載順位が決定されるシステムだった。
しかし、overtureは単純に入札価格の大小で掲載順位が決まっていた。

当然これだと上位表示を狙った入札合戦となり、コストは肥大するばかり。一方、コストに対するリターンは単なる「クリック数」。クリック数と業績の連動性はやはり不明瞭で(単なるインプレッションよりは説得力はあれど)、広告主の不満が高まるのも理解できる。

特に日本においては、overtureが実に7割のシェアを持っているので、上記のような体力勝負の状況が頻発していたわけだ。


その状況は2007年度にovertureが「新スポンサードサーチ(開発コード:パナマ)」へとサービスを一新したことにより、ひとまずの進化を見せた。
新スポンサードサーチでは、掲載順位が「入札価格×品質インデックス」によって決定されるようになり、従って高価格での入札がダイレクトに上位表示に繋がらなくなった。


これが何を意味するかと言うと「広告主が一方的に掲載順位を管理できなくなった」ということ。金を積んだからと言って、上位表示は保証されなくなったのである。上位に表示されるのは、価格に加え、キーワードに対して優れた/適切な広告。
だとすれば、広告主にとって上位表示だけにこだわることは最善の手法ではない。
同時に、入札合戦によって増大していたコストに対する懸念も表面化する。
さらに、CPC(クリックあたりコスト)やCTR(クリック率)の追及に懐疑的な風潮も。(つまり、ホントに大切なのは「クリックされること」ではなくて、売上・顧客獲得などの「実利」でしょ?ってこと)


すなわち、極限まで効率化されたように見えるリスティング広告は、さらなる効率化への道を進むことになる。


そこで登場するのが「ROI」や「CPA」の概念。(実際はもっと前から謳われていたけどね。効果的な運用がされていたとは言い難い)
これは「実際の成果に対するコストベースでリスティング広告を管理しよう」という概念。それぞれ、下記のように算出される。

  • ROI(投資収益率)
    • 投下したコストに対する成果の割合
    • (売上 - 広告費用)/広告費用
    • 売上を成果とし、50万円のコストで100万円の売上が立った場合、(100 - 50)/50=1=ROI:100%となる。
    • 売上以外の成果、例えば顧客登録を成果とした場合、その顧客がもたらす想定利益を売上として計算。
  • CPA(獲得あたりコスト)
    • Acquisition(獲得)=成果あたりコスト
    • 広告費用/獲得
    • 会員登録を成果とし、50万円のコストで10人の登録があった場合、50/10=5=CPA:5万円となる。


上記ROIやCPAってのは顧客の最終行動=「出口」の問題だから、これを広告という顧客誘引=「入り口」の段階で管理することは当たり前に困難だ。
困難だから入り口段階ではCPC(クリックあたりコスト)を指標としていたわけだけど、前述したような流れで広告主はCPCでは満足しなくなった。
つまり、入り口段階で出口を保証して欲しい、と言い始めたわけ。


このような声に対していち早くアクションを起こしたのはやはりGoogleだった。
広告予算に対して入札単価を自動調整することにより予算内で最大のクリック数をマネジメントする「Budget Optimizer」や、過去の成約率等を参考に自動的に掲出ワードや入札単価を調整して最適なCPAを実現してくれる「Conversion Optimizer」などの機能を打ち出し、Adwordsの効率化に余念がない。


しかし。
前述したように、日本国内でのGoogleのシェアは高くない。overtureが同様の機能を一向に実装しない現状において、CPCに対する広告主の不満は尽きない。


今後のSEMは、如何にしてROI/CPAマネジメントを精緻に行うか、がポイントとなるのだろう。


なーんて、偉そうに書いてますが、自分自身勉強しながらなので、結構一杯一杯です。
おかしい部分、間違っている部分等あれば、指摘プリーズ。

あ、物事を分かりやすく理解するために色々端折ったりわざと単純化したりしてますが、その辺はまあ、汲んで下さい。

                                          • -

++ from a.s
++ get slow life,
++ and smile.

                                          • -