2006.8/下旬 2冊



バンド・オブ・ザ・ナイト (講談社文庫)

バンド・オブ・ザ・ナイト (講談社文庫)

★★★☆☆→初心者には、オススメしません
中島らもらしい、ジャンキー小説。
物語自体は、ほぼ自叙伝と思われる内容で、過去にも複数の作品内で記しているお馴染みのエピソードが満載。
とにかく、出てくる人がみんなジャンキー。そしてダメ人間。でも、みんな善人。
優しい筆致で綴られるのはひたすら倒錯の日々。ちょっと切ないエンディング。
しかし、各章の後半部分の言葉の羅列には、辟易させられた。



チェ・ゲバラ伝

チェ・ゲバラ伝

★★★★★→男なら、黙って読んどけ
チェ・ゲバラは、間違いなく奇跡の人だ。
裕福な家に生まれ、天才的な頭脳で若くして医者としての道へ進みながら、革命に身を投じ、祖国でもないキューバのために、ゲリラ活動に明け暮れる。革命成立後、工業相・国立銀行総裁などの要職に就きながら、ある日全てを捨て、別れの手紙を残して、ボリビアでの新しい革命に赴く。そして、彼の地でまた革命家としてジャングルを駆け、やがて捕らえられ、死ぬ。
政権奪取を成し遂げた革命家は数多いるが、その後また革命の道を選択したのは彼一人のみである。
あくまで行動を基礎としたゲバラのロマンティシズムに、強烈にヤラれること請け合い。
もう二度と、ゲバラのような人間は、出てこないのだろう。
ぼくたちは、ただその壮絶で崇高な生を受け止めるしかない。
ちなみに本書は、物語や評論的要素を削ぎ落とした骨太な伝記として、資料的価値も高いんだそう。

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++ from a.s
++ get slow life,
++ and smile.

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