2006.11/頭 1冊



黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

★★★★★→どれ読んでも本当に面白い
コーネル・ウールリッチは、海外作家の中で1番好きな作家といっても過言ではない。江戸川乱歩により絶賛された「幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))」(ウイリアムアイリッシュ名義)がやはり一番好きな作品ではあるが(ありがちだけど)、本作、また他の作品も、変わらぬ魅力を持っている。流麗な筆致、耽美的・情緒的な表現は読んでいて非常に心地良く、精密な心理描写とともにストーリーを彩る。また、女性を書かせたら、彼以上の作家はそんなにはいないだろう。本作のストーリーはいわゆる推理小説とはまた少し異なる趣ではあるが、ストーリーの如何よりも、その美しい文章を味わうべき作家と言える。翻訳も素晴らしい。


                                          • -

++ from a.s
++ get slow life,
++ and smile.

                                          • -