"早熟の天才"の哀しみ



最近、日本サッカー界において、若手の活躍がめざましい。

カターニャでセリエA初出場初ゴールを決めた森本
仏グルノーブルへ二人揃って移籍した伊藤翔&梅崎司

彼らの活躍を見ていて、ふと懐かしい名前が脳裏をよぎった。


礒貝洋光石塚啓次、そして小倉隆史である。


若い時から類稀なる才能を備え、「天才」と称されて高校選手権で大ブレイクしたものの、プロ入り後はケガなどの理由で伸び悩み、ひっそりと現役を引退していった彼ら。

「未完の大器」で終わってしまったからだろうか、ぼくの脳裏には、彼らの印象はこれまでに見たどの日本人選手よりも強いものとして刻み込まれている。


その「異様に上手い」技術は、当時の全体的なレベルが現在に比べて低かったこともあり、見る者に強烈な印象を与えた。
3選手とも、いまだ根強い人気を誇り、引退した現在においても、Web上には彼らを語るブログ・サイトは多い。おそらく、選手としてのピークを不遇な環境で過ごさざるを得なかったために、彼らの可能性に対するファンの期待値はカタルシスを得られないまま、過去のある瞬間に浮遊し続けているのだろう。
もしかしたら、ぼくもその一人なのかもしれない。


オランダ2部のエクセルシオールで超エース級の活躍を見せたオグも含め、彼らの時代に世界挑戦の門戸が一般的なものとして開かれていたなら・・・という思いを抱かずにはおれない。


彼らのような「天才」らしい「天才」が海外の第一線で活躍することを願ってやまない今日この頃です。(小野は?と言われるかもしれないけど、ちょっとお行儀良過ぎるかな・・・あとやっぱり「天才」の称号は、前線の選手にこそふさわしいと思う)


ちなみに、先日行われた「Mr.エスパルス」こと澤登正朗引退試合に出場した磯貝の変わり果てた姿にはぎょっとしました。幾ら"和製マラドーナ"と呼ばれてたからって、そこまで似なくても・・・
(以下の動画の45秒辺り)